買物の楽しみを教えてくれるドンキホーテ

ドンキホーテは激安の殿堂を謳っていることで、顧客にとってもそのイメージが強い店舗として知られています。しかし、店頭ではすべての商品が他店より安いわけではありません。他店より1円でも安い価格設定を目指していたとしても、やはり特売や目玉セールなどで他店のほうが安いというケースもままあります。しかし、顧客もそれを承知の上で店舗を利用しているところがあります。だからこそ、ドンキホーテにおいて安さは必要条件ではありますが、十分条件ではありません。
今やデフレ下の激安競争は行き着くところまで行き、もはや安さは当たり前になってどこもどんぐりの背比べで似たような価格設計を打ち出している向きがあります。少々の低価格では、我々は驚きも魅力も感じなくなってきました。本来、買い物というのは優れてアミューズメント性のある行為です。そして、いつの日からか買い物における利便性は飛躍的に向上にしましたが、同時にずいぶんとつまらないものになりました。

それは同じような商品を同じような価格と売り方で売る店や施設ばかりが、やたらと増えてきたからです。決まりきった日常生活用品の買い物は、もはや義務的で時には苦痛さえも伴います。ドンキホーテが目に付けたのは、まさにそこです。探す・発見する・選ぶという買い物の楽しさを獲物にお客を買い物のハンターに仕立て、その狩場を盛り上げる仕掛けの圧縮陳列やユニークPOPの洪水でお客を出迎えてくれます。大原孝治氏はこの買い物が実に楽しくできる、ドンキホーテホールディングスの社長です。安さそのものに希少価値がなくなってしまった今、顧客が好んでドンキホーテを訪れてくる、仕掛けを作り上げた人物です。さしずめ、入場料がいらない買い物の劇場を作り上げた人物であるとも言えるでしょう。

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